芥川賞候補になった古市憲寿氏の小説「平成くん、さようなら」を読みました。
▽2018年11月9日に文藝春秋より出版
古市憲寿(ふるいちのりとし)氏のプロフィール
画像引用: ORICON NEWS
- 1985年1月14日生まれ東京都出身
- 慶應義塾大学環境情報学部卒業
- 東京大学大学院総合文化研究科修了
- 2018年初の小説「平成くん、さようなら」で芥川賞の候補にノミネートされる
社会学者としてテレビのコメンテーターとしても活躍中。「とくダネ!」で過激な発言をしてはをしばしばネット炎上を巻き起こす。
結婚感においては以前にこんな発言をして世間を賑わせたことも。
「だって気持ち悪くないですか?同じ人を70年とか愛し続けるって。そんなのあるの?」
ゆえに現在独身ということです。冷めた空気感が現在の若者代表という感じがして人気があるのも納得です。最近テレビで見ない日はないくらい見ますがこの方トークすごい上手ですよね。
今日は #とくダネ お休みです。なぜならとくダネの仕事でフロリダに来てるから。猫ちゃんと。 pic.twitter.com/DOeb0aNjPF
— 古市憲寿 (@poe1985) 2019年3月13日
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「平成くん、さようなら」のあらすじ
「 法律で安楽死が認められた世の中」という、パラレルワールドの世界で安楽死を決めた平成くんと彼女の愛ちゃんの葛藤の物語。
「平成という名前の自分は、平成が終わったら古い人間になってしまいそうでもう死にたい」という、中二病前回の平成くん。
実は平成と書いて「ひとなり」君なのだが。
死にたい死にたいと何ヶ月も平成くんに言われ続けて、愛ちゃんは受け入れるようになるのか?それとも「もういいよ、死ねよ」となるのか?
「平成くん、さようなら」の感想 ※ネタバレ含みます
芥川賞候補が好きじゃない
私は個人的に芥川賞が好きじゃないです。理由は過去の受賞作の多くに、エロとかグロび表現のある作品が多いからです。感動作にエロいとかグロいを織り込んでくるの本当に苦手です。
エロい話が読みたければ官能小説を選べばいい。文学として楽しんでる最中に急に生々しいエロ表現盛り込まれるとげんなりします。
食事中に濡れ場を見せらる感じです。食欲と性欲を一緒に満たそうとしないで?感動とエロは共生できないと思うのは私だけでしょうか。
芥川賞の中でも爽やかで好きな作品ももちろんあります。
さっと読めてクスッと笑えてうるっと泣ける
2000年代のイケてる感がよくわかる1冊
芥川賞作品おすすめ第1位!
爽やかな話で素直に面白いです
この「平成くん、さようなら」の中にも、生々しい官能シーンが少しだけど書かれてるため、「ああやっぱり芥川賞候補って。。。(^ν^;)」って思ってしまいました。でも読んでみないと面白さは分かりませんからね。なんだかんだ言って話題作は読みたいミーハー読者です。
”平成くん”は古市氏?
本を読み始めて最初から平成くんは古市氏自信がモデルなのかな、と感じました。
小説から引用した平成くんの外見はこちら
187センチという長身に、宇宙人のような逆三角形の輪郭の小さな顔。目元までを覆うような重たい前髪。細いながらも眼光の鋭い目。だけど唇だけは分厚くて、モデルといわれても、連続殺人犯といわれても、納得できてしまうような顔つきだ。
実際の古市氏の身長は175センチほどらしいのでそこは違うみたいですが、
- 重い前髪
- 細くて眼光のある目
- 分厚い唇
- 連続殺人犯顔
すいませんが古市さんなのですは。。。?
しかも小説の中で平成くんは古市氏と同様にとくダネ!にも出演してるエピソードもあり、街内ないなと。モデル、自分だな、と。
でも実際は平成くんのモデルは現在ユーチューバーとして活躍中のメンタリストのDaiGo氏ということです。連続殺人犯顔って…
スキャンダルはありましたが、DaiGo氏はチャンネル登録数200万超えの超人気Youtuberです。
動画を見てみたら、何だか胡散臭いうんちくを話してて(ごめんなさい)確かに平成君ぽい人でした。
登場人物が気持ち悪い(ごめんなさい)
小説の登場人物たちは現代を生きる若い人たちの話なので、アラフォーの私はちょと理解不能なことが多くて、これが今時の若者の普通の感覚なのかもしれませんが、皆さん絶妙にキモいです。
嫌味にならないようにさり気なくお気に入りのブランドをこちらに知らせて来るところとか、
グーグルホームに生活を管理させてスマホでUber呼んでアプリで行き先登録して移動とか、
高級レストランで出てくる蟻と牛肉の組み合わせは最近の流行りって言うとことか、
聞かされてる方は「あっそ(^ν^)聞いてないから」ってなる話が多すぎます。どうでもいい主張、多くないですか?友達でこんなに聞いてない系の会話する人いたらソーシャルディスタンス半径10キロ必要です。
正直私は古市氏がどんな方なのかわからないのですが、歯に衣着せぬ物言いで世の中を斜めに切った発言をしている様子を見ると、心の中では
「こういう今どきっぽいキーワード散りばめておけば最近のやつらは食いつくんだろ?」
って思ってるような気がします。そういう微妙な不快感を与えるのも計算済みなら大成功です。
そのように小説にとても不自然な形で今どきワードが散りばめられているのが、主役の平成くんと彼女の愛ちゃんをキモいキャラに仕立て上げています。
若い人たちはこの2人のやりとりを読んでどう思うのか気になりました。
平成くん、さようなら
物語の終盤では愛ちゃんがいなくなった平成くんへの思いを巡らすシーンが続きます。
(しかしこの子達キモいなー)と思いながら読み進めたけど、読み終わった後は平成くんのことが気になってしかたなくなりました。
平成君、いなくなったらめっちゃ寂しい。
嫌味なブランドに身を包んで、誰も聞きたくないウンチクかまして、世間を炎上させるようなクサイ人間っていうのも、ある意味愛すべき個性なんだと思いました。
平成君という個性が消えて、自分でも意外なほど寂しかったです。だって、平成君はキモいけど誰のことも傷つけてないですから。(愛ちゃんは別かもしれませんが)
この小説のテーマは”安楽死”で、私達がもし安楽死を選べるようになったらどんなことが起こるんだろうっていう問題提起もあったのかもしれませんが、キャラのキモさに気を取られ続けて正直そこについて考えるいとまがありませんでした。
今時の若い人たちのイケてる感を味わえて面白かったです。今度は他の古市作品を読んでみたいです。平成くん、さようならは読みやすくて短いのでさらさらっと1日で読めます。
▽「平成くん、さようなら」
▽古市氏のその他出版作品一覧はこちら
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コメント
固有名詞を多く出してるのは、平成という時代を解消させるためですよ。嫌味でも何でもありません。