おっさんずラブの牧凌太こと林遣都君と、今年2019年に亡くなられた日本の大女優市原悦子さんが共演ということに惹かれて「しゃぼん玉」を見ました。
林遣都君の作品は個人的に余り知らないんだけど、牧とは正反対の姑息なチンピラの役柄を上手に演じてたわ。いい役者さんね。
そして私達日本人の魂にまで刻まれた市原悦子さんの声。
役柄が田舎のお婆さんだったのも手伝って、彼女のセリフが全部日本昔ばなしに聞こえた。
この声を聞けるのはこの映画が最後なんだって思ったら、なんとも言えず胸が苦しくなった。悦子の声、大好きだったなぁ。。。
この作品が、市原悦子さんの遺作となりました。
しゃぼん玉の作品情報
公開日:2017年3月4日
年齢制限:なし
注意事項:性描写なし。暴力描写少しあり
時間:119分
監督:東伸児
画像引用:映画『しゃぼん玉』
しゃぼん玉のあらすじ
親の愛情を知らずに育ち、女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返してきた伊豆見翔人(林遣都)。
人を刺し、逃亡途中に迷い込んだ宮崎県の山深い椎葉村で怪我をした老婆スマ(市原悦子)を助けたことがきっかけで、彼女の家に寝泊まりするようになった。
初めは金を盗んで逃げるつもりだったが、伊豆見をスマの孫だと勘違いした村の人々に世話を焼かれ、山仕事や祭りの準備を手伝わされるうちに、伊豆見の荒んだ心に少しづつ変化が訪れた。
そして10年ぶりに村に帰ってきた美知(藤井美菜)との出会いから、自分が犯した罪を自覚し始める。 「今まで諦めていた人生をやり直したい」
――決意を秘めた伊豆見は、どこへ向かうのか…。
引用:映画『しゃぼん玉』
▽映画予告編はこちら
しゃぼん玉のキャスト
伊豆見翔人:林遣都
画像引用:映画『しゃぼん玉』
1990年12月6日生まれの28歳(2019年3月現在)
2018年にドラマ「おっさんずラブ」の牧役で大ブレイクを果たしたイケメン俳優。
スマ:市原悦子
画像引用:映画『しゃぼん玉』
1936年1月24日年生まれ、2019年1月12日に82歳で亡くなった日本の大女優。
代表作は「家政婦は見た!」シリーズや、「おばさんデカ 桜乙女の事件帖」など多数。
シゲ爺:綿引勝彦
画像引用:映画『しゃぼん玉』
1945年11月23日の73歳(2019年3月現在)
強面で悪役が多かったが、昼ドラ「天までとどけ」シリーズのお父さん役が大当たりして良きおっさん枠に仲間入りしたベテラン俳優。
しゃぼん玉の感想 ※ネタバレあり
原作は乃南(のなみ)アサ氏の同タイトル小説。
最初の数分を見た時に「この話どっかで聞いたことあるな、絶対知ってるぞ」と思って記憶をたどってみたら、以前小説で読んでた(;´∀`)
▽自分のKindleの本棚見たらやっぱりあったわ
最初の数分を見ただけで、すぐに小説を思い出すほどに映画の再現度が高かったわ。小説を読みながら頭の中で思い描いていた情景がそのまま映像になってた。
ベストセラー小説です。
絶妙なキャストその1:市原さん
この映画の撮影って、宮崎県の「天孫降臨ひむか共和国」と呼ばれる自然がめちゃくちゃ豊かな場所で行われているのね。
こんな景色の中で
画像引用:映画『しゃぼん玉』
こんな家から
画像引用:映画『しゃぼん玉』
市原悦子さんが出てきて、林君を「おーい、ぼう」って呼ぶのね。
ぼう、って「坊や」の事だと思うんだけど、この景色の中あの声で「おーい、ぼうやーい」って言われたらもう完全に頭の中は
〽ぼうや〜良い子だねんねしなー
って聞こえてくるでしょ?聞こえてこない人いる?
市原さんの独特な、懐かしいようなほっとするような、少し高くてよく通る声が、田舎の景色と混じって、聞いてるだけでノスタルジーなあったか切ない気持ちになってくる。
私が子供の頃からずっと知ってる声。・゚・(ノД`)・゚・。
ちなみに日本昔ばなしのおじいさん役の声も鮮明に頭の中で思い出せるわ。「むかーし、むかしのことじゃったぁ。」って。
皆さんの頭の中にも今、日本昔ばなしのおじいさんとおばあさんの声が蘇ってることでしょう。。。
市原さんが出演された「家政婦は見た」を最近YouTubeで見たけど、こんなに日本昔ばなしは思い出さなかった。
きっと市原さんも、このスマを演じてるときは日本昔ばなしを意識してたんじゃないかしら。。。(о´∀`о)シテネエヨ
絶妙なキャストその1:綿引さん
市原さんの近所で暮らす村の仲間の「シゲ爺」こと綿引さんが登場すると。。。
〽な、みだ君さよなーら、さよーならなーみだ君
今度は「涙君さよなら」のメロディが頭の中を駆け巡りだしたけど?!
そう、綿引さんと言えばTBS系昼ドラ「愛の劇場」枠の大ヒット作「天までとどけ」の丸山家のお父さんよね?!
「よね?!」とか言ってるけど、あのドラマが終わって既に21年の歳月が流れてるから、知らない人たくさんいるはず。
でも私の中では20年以上経っても綿引さんの情報がアップデートされてなかったわ。
それが今回のシゲ爺役がすごく良くて、完全に「天までとどけ」から、シゲ爺にアップデートが完了しました。
このシゲ爺ってのが、田舎の無骨で人情があって、昔の男って感じの爺さんなんだけど、余計なことはしないけど頼りになるし、なによりどっしりしててかっこいいの。
まるで、この歌の歌詞みたいな親父!!
今はもう絶滅寸前の、昔の男たちの歌ね。
シゲ爺はこんな親父がジジイになった人。こういうかっこいいけど頑固な男たちは、もう一方で現代では「老害」なんて呼ばれることも。難しいわね。
家族の温かさを知らない人間の心がほぐれる時
伊豆見は女性やお年寄りからひったくりを繰り返すようなクズだったんだけど、言い訳を聞いてやるとすれば親の愛情を知らないのね。
家族に恵まれなくて孤独だったからって、犯罪を犯して許される理由になんてならないけど。
しかしすさみきって最終的に人を刺してしまい、スマ達の暮らす村に逃げ込んでくる。
そこで村の人々に出会って変わっていくんだけど、私が一番心にぐっと来たのは、食事のシーンだったわ。
村の婆さんたちが伊豆見の世話を焼いて食事をたくさん運んできてくれるんだけど、伊豆見はそれを「うめえ、うめえ」って言って食べるの。
画像引用:映画『しゃぼん玉』
その後も、スマの作った田舎料理を毎日食べるんだけど、間違いなくこの食事が伊豆見の孤独な心を癒やしてた。
でも、もしこれがカルボナーラとか、ステーキじゃあ、なんかダメなんだと思うわ。なんとなくだけど、日本人の心を癒やすのはやっぱり和食よね〜。
毎日の食事って、当たり前のことだけど、親の作る食事っていうのは子供の心に影響するのはわかる気がする。
子供がぐれないように、毎日頑張ってぬか漬け漬けるぞー(о´∀`о)
ラストシーンで描かれなかった伊豆見のその後
「しゃぼん玉」は、要するに愛情不足でグレ尽くした若者が、田舎のゆったりたっぷりのんびりな生活と温かい人々に触れて徐々に更生していくって言う話なんだけど、現実世界ではこんなこと許されないと思う。
伊豆見は最終的に自首して罪を償うことに決めたのね。
そして数年後に出所するんだけど、伊豆見があんまり年をとってないことから、伊豆見が刃物で刺した相手は生きてて、殺人罪よりも刑期が短かったと予想してる。
ムショから出てきてからはまっすぐスマの家に向かった後、スマはまだ生きて伊豆見を待っててくれたのかしら。
待っててくれるといいわ。そして伊豆見はあの村で人生をやり直すのよ。。。
はっきり言って、現実世界ではありえない都合の良すぎる話だけど、こんな世の中だからこそ、映画の中だけでもあったかい話が見たいわよ。
エンドロールの秦基博さんの歌声に心が震える
美しい景色と、温かい人たちの暮らす風景の中に伊豆見が帰っていくラストシーンの後に流れる、秦基博さんの歌う「アイ」が、素晴らしすぎた。
美しいメロディと強くて繊細な歌声。。。
とりあえず映画を見終わったら、母と祖母に電話したくなったわ。
今はもう老人ホームにはいっちゃった私のおばあちゃんも、元気だった頃は私が山梨の田舎に遊びに行くと、いつも田舎料理をいっぱい食べさせてくれたなぁ。
もう食べれないんだなぁ。
現実的に考えると、あそこまで犯罪に手を染めたような人間はそんな簡単には心を入れ替えないし、田舎に行ってもスマやシゲ爺みたいな優しい老人もそんなにいない。
ありそうでありえない、日本昔ばなしのような世界のストーリーだったけど、映画を見終わった後は大切な人に会いに行きたくなる映画でした。
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